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本日のご相談内容 見出し


中小企業における社長(役員)と従業員間の不倫について
中小企業においては、社長(役員)の方と従業員の方が仲が良く、上下の関係性が薄いことも多いかと思います。
そのため、社内の雰囲気によっては、業務を超えて、私的な関係になられることも予想されます。
もちろん、業務遂行の上で円滑な関係は必要ですが、一線を超えてしまった場合には、法的な問題となってしまうことも考えられます。
ご夫婦には、貞操義務があり、配偶者の方以外と男女の関係になることは違法です。
しかし、中小企業においては、従業員の方の採用面接段階から社長(役員)の方が担当され、独断で採用を決定されることも少なくないのが現状です。
その場合には、社長(役員)の方が自分好みの容姿の方を採用してしまうことも考えられます。
採用の判断は、会社内にて原則的には自由に選定することができるため、このような「容姿採用」も現実的には多いことが予想されます。
こちらの点、容姿採用が悪いわけではなく、会社の顔となる広報の方や受付の方などは、採用戦略として重要な選択肢の一つとなります。
もちろん、男女の一線を超えてしまうことはお勧めできるものではありませんが、当事務所へのご相談の数から、現実的には上記のようなご状況も多いことが考えられます。
社長(役員)と従業員間の不倫の最善の解決策
ご相談者様としては、不倫の相手方に退職していただきたいと考えられるかと思います。
当事務所へのご相談実績におきましても、大半の方は、「相手方にすぐに退職して欲しい」というご要望をいただきます。
こちらは、ご相談者様の意向として当然であるかと思われます。
しかし、相手方が、会社の業務上替えがきかない場合やその人にしかできない業務があることも考えられます。
そのため、心中としてはすぐに退職をして欲しいと思われても、相手方の業務上の立ち位置をまずはご確認いただくことが必要です。
相手方が、会社内において重要な人物である場合には、退職をさせることで、ご相談者様に間接的なデメリット(会社の利益が減少し、配偶者様の役員報酬が下がる等)が発生してしまう可能性もあるためです。
つまり、まずは相手方の会社での立ち位置を確認し、特に会社にとって重要な人物で無い場合には、自主退職を勧告し、自主退職に伴い相手方に示談書(記載内容は後述)に署名をいただくことが最善です。
仮に、相手方が会社にとって替えがきかない存在である場合には、誓約書(記載内容は後述)に署名をいただくことが最善です。
不倫の当事者である従業員が自主退職に応じない場合
相手方が自主退職に応じた場合には、外観上の問題は解決される形とはなります(もちろん、心の部分における解決は難しいことは重々承知しています)。
こちらの点、相手方が自主退職に応じないことも考えられます。この場合には、ご相談者様としては、耐え難い苦痛となることが予想されます。
相手方が自主退職に応じない場合には、ご相談者様の配偶者である社長(役員)の判断にて、会社から不倫を理由とした解雇を行うことをご検討されるかと思われます。
しかし、この判断には法的には大きなリスクを含んでいることの確認が必要です。
解雇後に相手方が裁判を起こし、不当解雇だと主張された場合には、会社にとって大きな損害を被る可能性があるのです。
裁判例では、不倫を理由とした解雇が、不当解雇として認められ、会社に数千万円という支払い命令が出された判例もあります。
もちろん、個々の状況によるため裁判においての判断は一概には言えませんが、ご相談者様のお気持ちの部分と配偶者様である社長(役員)、そして会社自体の立場を踏まえ、ご判断いただくことが重要であることは間違いありません。
社内不倫による解雇は不当解雇と考えるられることが原則
ご相談者様としては理解に苦しむかと思われますが、これまでの裁判例によると、不倫が業務上に支障を与えていない場合、たとえ不倫をしていたとしても、その不倫を理由とした解雇は不当解雇になるという判断が多くあります。
つまり、法的な考え方としては、「確かにご相談者様や社会通念上においては、社内において不倫関係にある事は好ましくはないが、それが実際に業務の遂行に支障が出ていないのであれば、その不倫を理由としての解雇は不当」ということになります。
こちら点、確かに男女関係にあるからこそ密なやりとりを行うことができ、それが業務にもプラスに反映されているというメリットの部分もあるという考え方もあるかもしれません。
しかし、ご相談者様としては、なかなか受け入れ難い考え方であることは確かです。
裁判に発展した場合には、不倫と業務に対する支障が直接的な関係性にあるかという点が争点になることが予想されるため、不倫の悪質性、他の従業員の方への影響、業務遂行への支障などの証拠を集めておくことが、相手方からの訴訟提起という観点からは有効です。
社内不倫による解雇の正当性が認められる場合
不倫による解雇に、どのような状況であっても、正当性が認められないということではありません。
これまでの判例上においても、不倫を理由にした解雇が認められているものもあります。
判例上において解雇の正当性が認められるには、前述の通り、「不倫が業務に支障を与えているか」ということが争点となります。
中小企業においては、社内コミュニティが小さく、不倫が従業員内にて周知の事実でになっていて、他の従業員の方が気を遣って業務を行っているかもしれません。
このように中小企業においては、社内において不倫関係にあることの認知、また他の従業員への影響(業務への支障)が大企業に比べて大きいものとなる可能性が高いため、不倫を理由とした解雇が認められやすいとも考えられます。
また、中小企業においては、部署異動や転勤等の対応が取りづらいことも考えられ、「不倫を理由とした解雇をしなくてはならなかった状況であった」ことを主張しやすいことも考えられます。
行政書士三浦国際事務所では、社内不倫解決の多くの実績があります
行政書士三浦国際事務所では、各種契約書作成、不倫問題に関する専門の行政書士事務所として、数多くの不倫トラブルをサポートして参りました。
会社の社長(役員)の配偶者様からのご依頼も多数いただいており、これまでの実績を踏まえ、ご要望に沿った最善の解決方法をご案内させていただきます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。
①解決方法 誓約書作成
相手方からご相談者様に対する、誓約(約束)内容を定めた一方的なお約束の書面が誓約書です。
相手方の誓約(約束)を明確に確認でき、そして裁判に発展した場合においても有効な証拠書面の1つとして活用できます。
また、問題が再発した場合においても、有利に交渉を進められる材料となります。
★誓約書に記載すべき事項
・不倫関係にあった事実
・今後、一切接触をしないこと
・連絡ツールを削除すること
・不倫に関する内容を口外しないこと
・記載内容に反した場合には、違約金を支払うこと
・その他、当事者様間にてお約束されたい内容(退職の有無など)
②解決方法 示談書を作成
示談書は、当事者様双方が署名捺印を行い、和解をする際の書面となります。
つまり、誓約書のように一方的な誓約(約束)内容の提示ではなく、当事者様にて今回の不倫を清算することに合意し、以後一切お互いに金銭等のいかなる請求も行わないという取り決めとなります。
誓約書と近しい書面ではありますが、誓約書は一方的な誓約(約束)内容を定めるとき、示談書は互いの意向を示し、事を清算する場合に締結をします。
★示談書に記載すべき事項
・不倫関係にあった事実
・今後、一切接触をしないこと
・連絡ツールを削除すること
・不倫に関する内容を口外しないこと
・記載内容に反した場合には、違約金を支払うこと
・示談金額
・示談金の支払い方法
・示談金の支払期日
・求償権の放棄(相手方から、ご相談者様の配偶者様である社長(役員)に対して金銭の請求をしないこと)
・示談書に記載されていること以外に、お互いに債権債務がないこと
・今回の不倫を清算すること
・その他、当事者様間にてお約束されたい内容(退職の有無など)

③解決方法 内容証明郵便発送
内容証明郵便とは、郵便局を通じて書面を発送し、その書面の内容や発送日時のデータを郵便局が保管する郵送方法です。
つまり、誓約書や示談書の締結前において、当事者様双方のやりとりを明確に証拠として残しておく場合等に活用します。
こちらの点、メールやチャット等によるやりとりの証拠保全も可能であるとは思われますが、仮に「メールやチャットを削除した場合」、「メールやチャット上において確かに協議はしたけれど、合意には至ってないと主張されてしまった場合」等には、証拠力として弱くなってしまいます。
やりとりの証拠を保全できないことは、当事者様双方にとってデメリットとなる可能性があるため、内容証明郵便を利用する価値は高いです。
内容証明郵便を発送し、お互いの意向を明確に保全しておくことにより、誓約書や示談書を締結した後において、「誓約書や示談書を締結していない。合意にも至っていない。」という主張がなされた場合においても、内容証明郵便は通知内容や発送日時のデータが郵便局に残されることになるため、上記のような不毛なトラブルを避けることができます。
「内容証明の作成、発送方法がわからない」、「相手方にご相談者様の住所を知られたくない」等のご要望がございます場合には、当事務所からの内容証明郵便のご発送も可能でございますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
社内不倫に関する公証役場での手続き
誓約書や示談書を締結した場合、当事者様お二人しか、当該誓約書や示談書の存在を知らないという可能性があります。
つまり、法律上においては適法に締結したにもかかわらず、締結後に「締結してない」と主張されてしまった場合、後々、本当に締結されていたことの証明をしなくてはならない可能性があります。
上記のような不毛なトラブルを避けるために、「締結時においてスマートフォン等で写真を撮影する」、「お互いが実印にて押印し、印鑑証明書を添付する」等の方法が考えられますが、法的な安定性を担保するためには公証役場での手続きが最善となります。
公証役場での手続き(公正証書)とは、全国にある公的な機関である公証役場にて、当事者様が揃って出向き、「この誓約書や示談書は間違いなく私たちが締結した」という事実を、公証人の面前で証明することを示します。
こちらの手続きを行うことで、誓約書や示談書を公に証明してもらうことができます。
証明されたデータは、公証役場にて保管されるため、書面の紛失や改ざんの心配もありません。
しかし、当事者が揃って公証役場に出向かなくてはならない大きなハードルがあり、仮に相手方が公正証書の作成を拒否した場合には、手続きが難しくなってしまいます。
また、手続きを強制することもできません。
こちらの点、当事者本人ではなく、代理人による申請も法的には可能ではありますが、やはり当事者間のトラブルを解決する手続きではあるため、本人同士が出向くことが法安定上は最善とはなります。
解決方法まとめ
ご相談者様は、配偶者様の不倫発覚にとても心を痛めてらっしゃると思います。
信頼していた配偶者様からの裏切り行為は、決して許されるものではなく、社会的にも責任を負うべきものではあります。
不倫は、法律上においては不法行為、つまり立派な法律違反ではありますが、実際のところはご夫婦間の取り決めや価値観の部分に委ねられています。
法律上においては、ご夫婦は貞操義務があるため他の異性と男女の関係(不貞関係)になる事は許されていません。
不貞関係は、法律上では男女の関係になる事を示しますが、 実際には軽いスキンシップやキスなどにより不貞行為だと感じられる方も少なくないと思います。
つまり、法律上の規定と実際のご夫婦間における取り決めは、大きな差があり可能性があり、個々のご夫婦で異性交流に関する考え方が異なることが当たり前です。
そのため、配偶者様の不倫が発覚した時に冷静な対応は難しいとは思われますが、相手方に不当な請求や脅迫等を行ってしまった場合には、逆にご相談者様が法的に責任を問われてしまう可能性があります。
そのため、当事者様にて冷静にご協議をいただき、合意内容を誓約書や示談書に落とし込まれるということが法的には最善となります。
そして、可能であれば誓約書や示談書締結時においてスマートフォン等で写真を撮る、実印で押印し印鑑証明書を添付する、公証役場での手続きを行う、等の方法により証拠を保全することが有効となります。
誓約書や示談書は雛形のようなものもありますが、現実的には、前述の通りご夫婦間の異性交流に関する取り決めはご夫婦により異なりますし、そもそも不倫に関する状況が皆様全く一緒であることは考えられないため、オーダーメイドでの作成をお勧めいたします。

投稿者プロフィール

- 行政書士三浦国際事務所は、中小企業様(個人事業主様・フリーランス様含)の経営・許認可・書類作成専門の行政書士事務所です。マンパワーの少ない中小企業様は、たったひとつのトラブルにより、倒産まで追い込まれることも多々ございます。当事務所では、事業の継続性を最優先に考慮し、各種ご契約書のご案内及び許認可、経営法務をご案内させていただいております。私の行政書士及び経営者、経営コンサルタントとしての知識と経験を事務所に反映させ、中小企業様のリスクを少しでも軽減させていただけるよう日々精進しております。趣味は、海外旅行で2カ国への語学留学を含め、世界5大陸約30カ国100都市以上への渡航経験があります。家庭では、2児の父で、毎日の食事作りを担当しています。
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